日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

第1章 はじめに

日本ローカーボ食研究会代表理事 
灰本クリニック 院長 医師 灰本 元

 日本ローカーボ食研究会は2011年の発足以来約10年になります。会は、糖質制限による食餌療法を2型糖尿病や肥満の治療に適切に導入するための臨床研究と啓蒙を推進してきました。この間、ローカーボ(食)療法は一定の市民権を得たようにみえますが、十分な専門的知識と経験を持つ医師はまだまだ少なく、解決すべき課題も多いのが現状です。このホームページでは、会の設立当初からローカーボ療法について世界最先端の研究とわたしたちの臨床研究の成果を随時紹介し解説してきました。この間の大規模研究や基礎研究の進展はめざましく、専門知識は質・量共に増大しています。研究会では、2019年4月時点のローカーボ療法の状況について書直し、ホームページを更新することにしました。執筆には医師のわたしと管理栄養士の渡邉志帆がそれぞれの立場で分担して当たります。

 ローカーボ(食)療法についての詳細は、わたしたちが編集、執筆した「正しく知る糖質制限食」(2013年、技術評論社)、「ゆるやかな糖質制限食による2型糖尿病治療ガイドライン2016」(風媒社、2016年)、「医師がすすめるおいしい糖質オフレシピ216」(西東社、2018年)をご参照下さい。記述内容の骨格は変わらず、現時点で読み直してみてもいささかも古びておりません。

 ローカーボ(食)は英文表記ではlow-carbohydrate dietで、糖質制限食、低炭水化物食を指します。この食餌療法が現代に流布したのはアメリカ合衆国1992年のAtkins’ Dietからですが、欧米では高脂肪食(high-fat diet)とも呼ばれています。それに対し従来のカロリー制限食は高糖質食や高炭水化物食(high-carbohydrate diet)あるいは低脂肪食(low-fat diet)と呼ばれています。カロリー制限食と呼んでいるのは世界的にみても日本くらいでしょうか。

 ローカーボでは糖質を制限しますが、制限した糖質のエネルギー相当分を脂質の摂取量を増やすことによって補うことが基本です。脂質摂取量に特に制限を設けていないので、high-fat dietとも呼ばれています。この脂質摂取を増やすという原理を正しく理解して実行しないと、エネルギー摂取量がかなり減ることになります。その結果治療は空腹感に絶える修行の如くとなり、普通の人では長続きしません。ローカーボ療法とは糖質を制限するもののその分脂質の摂取を増やすことを基本原理とする食事療法です。

 脂質をたくさん食べて大丈夫かと疑問に思う方々も少なくないと思いますが、後の章でその意義や脂質摂取と病気や死亡の関係について説明します。まずは、「ローカーボとは糖質を減らもののその分脂質を増やす食餌療法」であることを心に銘記してください。

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